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4月, 2022の投稿を表示しています

食物アレルギーコラム ②牛乳アレルギー

みなさんこんにちは。ヒガです。 ここのところ寒い日と暑い日がかわるがわるやってくるようで、服装の調節が難しい季節ですね。 4月から新学期・新生活が始まった方も多く、ゴールデンウィークあたりでちょっと生活に慣れてきて緊張がほぐれてきた途端に、風邪を引いたり体調を崩したりする方が多くなる印象です。 休める時にはしっかり休養を取って、服装もこまめに変えて体調管理に気をつけて過ごしていきたいですね。 さて、前回の卵アレルギーに続いて、今回は牛乳アレルギーについてまとめてみようと思います。 ・牛乳アレルギーの頻度、自然経過 牛乳アレルギーの多くは0歳の乳児期に発症し、小児の食物アレルギーのなかでは卵アレルギーに次いで2番目に多いとされています。 0歳の子どものうち、1割弱くらいで牛乳アレルギーがあります。 乳児期に発症した牛乳アレルギーのお子さんのうち約3割が3歳までに、約8割が6歳までに、問題なく牛乳を摂取できるようになる(耐性獲得)と言われています。 生後間もなくの間だけ粉ミルクを飲んでいて、その後しばらく母乳栄養だけで過ごし、生後6ヶ月頃に久しぶりに粉ミルクを飲んでみると蕁麻疹が出たというお子さんを、小児科では時々経験します。 数ヶ月ぶりに粉ミルクを与える場合には、少量ずつ様子を見ながら再開するのが安全です。 ・アレルゲンとしての牛乳の特徴 多くの牛乳アレルギーの原因となっているのは、牛乳中のカゼインというタンパク質です。 カゼインは加熱による影響を受けにくいタンパク質であり、卵と違って加熱調理してもアレルギーの出やすさはあまり変化しません。 一方、牛乳アレルギーのお子さんのなかにはβラクトグロブリンという別のタンパク質に強く反応している方もおられ、こちらは加熱により変性してアレルゲン性が大きく低下するため、加熱調理すると症状なく食べられる可能性があります。 また、小麦と混ぜて加熱調理するパンやマフィンでは反応性が低下することがわかっており、牛乳そのものよりも多く食べられることがあります。 ・アレルギー用ミルクについて 通常の粉ミルクは牛乳を原料としているため、牛乳アレルギーのお子さんはアレルギー用ミルクで代用する必要があります。 アレルギー用ミルクには、牛乳タンパクを分解して調整された加水分解乳(分解が弱い方から順に、ミルフィー・MA-mi・ニューMA-1)およびアミ

食物アレルギーコラム ①卵アレルギー

  みなさんこんにちは。ヒガです。 今回は、卵アレルギーについてまとめてみたいと思います。 ・卵アレルギーの頻度、自然な経過 卵アレルギーは、子どもの食物アレルギーの原因で最も多いものです。 日本の0歳の子どもの約3割に何らかの食物アレルギーがあり、そのうち約半分の子どもが卵アレルギーを持っています。 つまり、0歳の子ども全体のうち1~2割が卵アレルギーを持っていると言えます。 一方、卵アレルギーは年齢とともに治りやすい食べ物としても知られており、0歳時に発症した卵アレルギーは、3歳までに約3割が、6歳までに約6割が食べられるようになる(耐性獲得)と言われています。 最近の研究で、食物アレルギーを発症した子どもでも、その原因食物を症状なく食べられる範囲で食べ続けていくことにより、早期に耐性獲得し食べられるようになることがわかってきています。 しかし、食べる量が多すぎると強いアレルギー症状が出てしまうリスクもあるため、その見極めが重要となります。 明らかに卵を食べたことが原因でアレルギー症状(発疹、嘔吐、激しい咳など)が出た場合は、無理に卵を食べ続けさせようとせず、必ず小児科に相談するようにしましょう。 安全に食べられる量を確実に確認するためには、病院でアレルギーが疑われる食べ物を実際に食べてみる食物経口負荷試験が必要な場合もあります。 ・アレルギーの原因としての卵の特徴 卵には卵白と卵黄がありますが、アレルギー症状を生じやすいのは卵白です。 卵アレルギーがあっても加熱した卵黄は食べられることが多く、離乳食で卵の摂取を開始する際にも、生後5~6ヶ月頃から、まず加熱した卵黄から食べ始めることが推奨されています。 この際、加熱の仕方が重要で、具体的には沸騰したお湯で20分しっかり固ゆでしたゆで卵から、1時間以内を目安に卵黄と卵白を取り分けましょう。 ゆで卵をそのままにしておくと、卵黄に卵白成分がどんどん浸透していくため、卵白成分による思わぬアレルギー症状を生じてしまう可能性があります。 初めは耳かき1杯程度の量から始めて少しずつ増やしていき、生後9~10ヶ月頃から加熱卵白も同様に耳かき1杯程度から始めて増やしていくのが標準的な進め方になります。 卵は加熱・加工によりアレルギー症状の出やすさが大きく変わる食材です。 具体的には、生に近い低加熱ほど症状が出やすく、しっかり加熱

頭痛③ 緊張型頭痛

緊張型頭痛は頭が両側からしめつけられるような痛みで、頭痛のときに動いても、痛みが強くなることはなく、目がチカチカするなど前兆や嘔吐はみられないことが多いです。合谷、肩井、風池などにコリがあり、ツボを押すと痛いです。 原因と対策 ・長時間のスマホやテレビなどスクリーンタイムが長い  →適度に休憩しながら、姿勢を正す ・首や肩こりなどで、血流が悪くなって、頭痛を起きる  →ストレッチや体操で首や肩の筋肉をうごかすなど   あたためて、血行をよくすることが効果的です。  片頭痛とは逆であたためたり、動かすことでよくなることが多いです。 日本頭痛学会にのっている 1 日2分の頭痛体操もおすすめです。 片頭痛の発作中はとにかく安静が大切ですが、発作が起きてないときの頭痛体操は片頭痛の予防になり、緊張型頭痛の改善につながります。首と肩の筋肉をほぐして、脳の痛み調節系にいい刺激を送るストレッチ効果もあります。 ・腕をふる体操 頭は動かさずに、右肘、左肘を交互に前に出す ・肩を回す体操 肘をまげて腕を内側、外側にまわす ・頭痛ダイアリーを書いてみる 日記を書くことで頭痛のあった日、どんな痛み、前兆やきっかけはあったかなど、自分がどんなときに頭痛がひどくなるかが分かってきます また片頭痛と緊張型頭痛を合併することもあります。 どっちの要素がつらいかを考えてみて、より困るタイプの対策をしましょう。 長引く頭痛はすぐには治らないことが多いです。  頭痛があるけど、自分でコントロールできて、上手に頭痛と付き合って生活をおくることを目指しましょう。

頭痛② 片頭痛

  長引く頭痛は子どもでは片頭痛と緊張型頭痛が多いです。 今回は片頭痛について・・・ 頭の片側(両側のこともある)がズキズキ脈をうつような痛みで、発作中は動くと症状が激しくなることが多いです。 頭痛前に目がチカチカするなど前兆が現れたり、吐き気や嘔吐をみとめることもあります。 また家族の方にも片頭痛の方がいる場合が多いです。 アレルギー性鼻炎をもっていると、片頭痛を起こすことも多いという報告もあります。 発作のきっかけ 睡眠不足、ストレス、疲労、緊張 天候変化(高温、多湿、雨、低気圧) 月経周期 食品(チョコ、チーズ、ナッツ、カフェインの取り過ぎ)、 光(強い日差し、明るすぎる照明、ブルーライト) 発作時がおきたら・・・・とにかく安静にすることが大事です! 暗くて静かな部屋で横になったり、エアコンや氷枕で冷やすと効果的です。 頭痛の薬は、痛み止めであるアセトアミノフェンがあります。 ただし週に 3 回以上は内服しないようにしましょう。 薬ののみすぎで頭痛がひどくなることがあります。 発作が強くて、日常生活に影響がある場合は薬や漢方など予防薬もあります。 予防は・・・ 早寝、早起き、休日でも規則正しい睡眠、昼寝はしすぎない 寝る前2時間はブルーライトを制限する 原因となる食品をとりすぎない 空腹や脱水に気を付ける 運動習慣をもつ(活動性が低い、肥満は片頭痛と関連するといわれています) では頭痛③へつづく・・・

子宮頸がんワクチンキャッチアップ接種のご案内

みなさんこんにちは。 大阪掖済会病院小児科のヒガです。 令和4年4月1日より、ヒトパピローマウイルスワクチン(子宮頸がんワクチン、以下HPVワクチン)接種を逃した方を対象に、キャッチアップ接種が開始されました。 平成9年度~平成21年度生まれの女性の中で、積極的推奨が控えられていたために通常のHPVワクチンの定期接種の対象年齢(小学校6年から高校1年相当)の間に接種を逃した方に対して、あらためてHPVワクチンの定期接種の機会が提供されます。 詳しくは、厚生労働省ホームページ「ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの接種を逃した方へ~キャッチアップ接種のご案内~」をご参照ください。 (リンク→ https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/hpv_catch-up-vaccination.htm ) 接種期間延長の対象者と接種期限 平成9年4月2日~平成21年4月1日生まれの女性:令和7年3月31日まで 平成21年4月2日~平成22年4月1日生まれの女性:令和8年3月31日まで 平成22年4月2日~平成23年4月1日生まれの女性:令和9年3月31日まで 当院小児科では、HPVワクチン接種について、上記対象者であれば高校生~成人の方のワクチン接種も対応しておりますので、接種をご希望の方は遠慮なくご連絡ください。 また、子宮頸がんワクチン接種の基本的な情報については、以前のブログ記事「子宮頸がんワクチンについてご案内」でもまとめておりますので、ご参照ください。 (記事リンク→ https://ekisai-shounika.blogspot.com/2021/10/blog-post_21.html ) ご予約は、電話にて受付させていただいております。 (平日14:30~16:00 TEL:06-6581-2881) 予防接種の効果や副反応などについて気になることがございましたら、受診の際に相談・説明させていただきますので、お気軽にお申しつけください。