大阪掖済会病院小児科のヒガです。 今年も、スギ花粉が飛ぶ季節になりましたね。 今年は寒い時期が遅くまで続いたせいか、例年よりも花粉の飛び始めが遅いように感じます。 今年の近畿地方のスギ花粉飛散量は昨年のシーズンと比べるとやや少なく、例年の平均的な飛散量と比べてもやや少なめになると予想されているようです。 新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、子どもたちもマスク着用が習慣化したことで、ここ2年間の春はスギ花粉症の症状が軽くなっている方が多くなったと感じております。 一方で、それでも症状が強く辛い子どももいらっしゃいます。 みなさま、舌下免疫療法という治療をご存じですか? 以前は、スギ花粉症に対する治療は、スギ花粉への接触を防ぐ生活習慣の改善(マスク、防花粉めがね、部屋に入る前に服についた花粉を払い落とす、顔や髪を洗うなど)、抗アレルギー作用を持つ内服薬・点鼻薬・点眼薬による症状に対する治療しかありませんでした。 舌下免疫療法は、アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)で作られたお薬を舌下(ベロの下)に毎日内服することで、アレルゲンに対して強くなる(耐性獲得)ことを目指す治療のことです。 大阪掖済会病院では、スギ花粉症とダニによるアレルギー性鼻炎に対して、5歳以上の小児を対象に舌下免疫療法の導入を行っております。 スギ花粉症に対する舌下免疫療法は、スギの飛散時期(1月~5月)には導入することができないので、6月~12月に導入しております。 初めての内服は病院で症状を30分間観察しながら行うことになりますので、小・中学生でお忙しい方の場合は、夏休みなど時間の取れるタイミングでの導入をオススメしております。 ちなみに、ダニによるアレルギー性鼻炎の舌下免疫療法については、いつでも導入できますが、スギ花粉症も合併しておられる方については、春以外の鼻炎症状の落ち着く時期での導入をオススメしております。 以下、導入に際しての注意点をまとめておきます。 詳しくは鳥居薬品の舌下免疫療法情報ページをご覧下さい。 →トリーさんのアレルゲン免疫療法ナビ https://www.torii-alg.jp/ ・アレルゲンを投与することから、局所的なアレルギー症状(口や耳のかゆみ、喉のイガイガ)や、まれに全身性のアレルギー症状が現れる可能性があります。 ・スギ花粉の飛散していない時期も含め、毎日の
※2023年3月をもって閉科いたしました。 大阪市西区にある大阪掖済会(えきさいかい)病院小児科の公式ブログです。 小児アレルギーを専門として、他にも幅広い一般小児疾患(かぜ、便秘、夜尿症、起立性調節障害など)や各種予防接種・乳児健診などに対応しております。