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9月, 2022の投稿を表示しています

熱性けいれん

  熱性けいれんとは、 38 度以上の発熱でおこるけいれんです。 乳幼児期は、まだ脳が未熟でけいれんをおこしやすく、子どもの時期に 10 人に 1 人が経験したことがあるといわれております。 普通は 5 歳くらいまでおこることが多いですが、インフルやコロナなどでのウイルスでは、 6 歳以降でもみられることがあります。 5 分以内の発作であれば脳に悪い影響をおこさないといわれておりますが、 見た目は派手なので、初めてみたときはご家族の方はびっくりされると思います。 子どもがけいれんしたら・・・   ・時間をみる 発作の長さを測る ・顔を横にして寝かせる 嘔吐による窒息をふせぐ ・首回りの衣服をゆるめる 呼吸がしやすいように ・歯をくいしばっていても、口の中にはものはいれない   発作時に舌をかみきることは、まずありません。 ・けいれん時の目の向き、手足の動きを観察 5分以上続く場合 けいれん後は、少しぼーっとすることが多いですが、意識が変な感じが 15 分以上続く場合手足の麻痺などを認める場合は救急車をよんでください。 一度けいれんを見たら、発熱のたびに、けいれんしたらどうしようと 不安になると思います。 でも、ほとんどの子は生涯 1 回だけのけいれんで、再発のリスクは 30% です。 また解熱薬を使っても、けいれんの予防にはならないし、けいれんが起こりやすくなることもありません。   ダイアップ座薬 (けいれん予防薬) 再発のリスクが高いときなどは、 38 度以上の発熱のとき投与、 8 時間あけて2回使て予防をおこないます。 予防する対象となる人の基準 ①     15 分以上のけいれんを起こしたことがあり。 ②     以下の2つを満たすけいれんが2回以上 ・左右差のあるけいれん or 24 時間以内に反復 ・家族に熱性けいれんかてんかんの既往がある ・ 1 歳未満での発症 ・発熱後 1 時間以内でのけいれん ・ 38 度未満でのけいれん ・けいれん前から発達が遅れている   けいれんが 5 分以内にしっかり止まって、意識状態も普通なら使わなくても大丈夫です。 ただ同じ発熱期間内の再発を防ぐ効果は、使わなかったときよりは、あるとも言われています。なので、家族の不安、救急車が

新型コロナワクチン3回目接種とインフルエンザワクチン接種についてお知らせ

みなさんこんにちは。ヒガです。 今後のワクチン接種についてお知らせです。 ①5歳~11歳の小児の方を対象とした、3回目の新型コロナワクチン接種について 5歳~11歳の小児の方を対象として、2022年9月より3回目の接種が開始されます。 3回目の接種対象者は、2回目の接種から少なくとも5ヶ月経過した方です。 大阪掖済会病院小児科では、これまでの5歳~11歳の方を対象とした新型コロナウイルスワクチン接種予約の枠にて、3回目の接種についても受付をいたします。 それに伴い、これまで毎月第3週金曜日に接種日を設けておりましたが、当面の間は第4週金曜日にも接種日を設けさせていただきます。 初回接種についても引き続き受付しておりますので、ご希望の方はご連絡ください。 接種日程:毎月第3・第4金曜日(9月は第5金曜日) 接種時間:14:30、15:00 接種対象者:5歳~11歳(5歳の誕生日の前日から12歳の誕生日の前々日まで)、3回目については2回目接種から少なくとも5ヶ月経過した方 使用ワクチン:コミナティ(ファイザー社) 持参するもの:接種券、予診票、母子健康手帳、保険証 予約受付方法:電話にて受付(電話受付時間は平日14:30~16:00)、または小児科外来窓口にて受付 予約・接種に際しての注意 ・初回接種の方は2回接種が推奨されていますので、原則として2回分の予約をとらせていただきます。 ・余分なワクチンの廃棄を防ぐため、予約のキャンセル・延期はできません。体調不良などやむを得ない場合は、お早めにご連絡ください。 ・接種後15分(副反応を生じるリスクの高い方は30分)は接種後副反応を生じるかどうか院内にて観察させていただきます。 ・以前に他のワクチン接種後や注射・採血後などに気分不良、吐き気、ふらつきなどを経験された方は、事前にお伝えください。横になった状態での接種など、適切に対応させていただきます。 ・当院初診の方はカルテ作成などを事前に行いますので、予約時間より15分ほどお早めにお越しください。 ・他のワクチン(インフルエンザワクチンを除く)を2週間以内に接種している場合は、新型コロナウイルスワクチンを接種できません。 ・初回接種(1・2回目)で5歳~11歳用のワクチンを接種した方が3回目接種の時点で12歳になっていた場合は、12歳以上用のワクチンによる接種となるため

任意接種ワクチンと対象疾患について その① おたふくかぜワクチン

皆さんこんにちは。ヒガです。 9月になり、朝晩はちょっと涼しくなってきて、夜には虫の鳴き声も聞こえ、秋の気配を感じますね。 一方で日中はまだ猛暑日近くまで気温が上がることもあり、まだまだ熱中症に気をつけて過ごす必要はありそうです。 さて、今回は任意接種ワクチンと、その対象疾患について、まとめてみようと思います。 一気にいくつかのワクチンについてまとめようと思ったのですが、長くなってしまったので、今回はその①として、おたふくかぜワクチンについてまとめます。 ①おたふくかぜとは? おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)は、ムンプスウイルスにより全身性ウイルス感染症で、唾液や尿を介して飛沫感染、もしくは接触感染によって感染します。 3~6歳の子どもに好発し、主な症状は発熱、痛みを伴う唾液腺(主に耳下腺炎)の腫れです。 両方の耳の下にある耳下腺がぷっくり腫れて「おたふく」みたいになるのが、名前の由来です。 耳下腺炎自体は自然に治ることが多く、それほど問題にはなりませんが、問題となるのは多くの合併症です。 合併症は、おたふくかぜの発症年齢が高いほど、発症頻度と重症度が高くなると言われています。 治療薬はなく、ワクチンによる予防が唯一の対策となります。 ②おたふくかぜの合併症 ・無菌性髄膜炎 おたふくかぜにかかった人のうち1~10%に発生し、脳や脊髄の周りにある髄液の中にムンプスウイルスが入りこみ、炎症を起こすことで発症します。 一般的に重症化はせず後遺症なく軽快しますが、強い頭痛、嘔吐を伴い、入院治療を要することが多いです。 ・難聴 おたふくかぜにかかった人のうち0.1~1%に発生します。 多くは片側だけが重度の難聴となりますが、4%ほどは両側の難聴を生じます。 片側の難聴の場合は、小さい子どもの場合は難聴の症状に気づくことが難しく、保護者も知らないうちにめまいや耳鳴り、音の方向性を把握しにくいことによるコミュニケーション障害などが起こり、社会生活に支障をきたしてしまいます。 また、ひとたび難聴を発症すると、そのほとんどは治療効果がなく、生涯残ることになります。 ・脳炎 おたふくかぜにかかった人のうち0.02~0.03%に発生します。 とてもまれな合併症ですが、重い後遺症を残したり、死に至ることもあります。 ・精巣炎 思春期以降の男性がおたふくかぜにかかった場合、20~30%に合併し