寒い日が続きますね。
まだしばらくはコタツから出られない日々が続きそうです。
ということで今回は、冬のアトピー性皮膚炎の注意点について、まとめてみようと思います。
①乾燥
地域差はありますが、冬はとても乾燥する季節です。
もちろん、大阪も冬はとても乾燥します。
空気が乾燥すると、皮膚の表面が乾いてどんどん水分が蒸発して飛んでいくため、皮膚がカサカサになり、皮膚バリアが薄くはがれていってしまうため、かゆくなり湿疹が悪化しやすくなってしまいます。
部屋の中の乾燥を防ぐためには、加湿器や濡れたタオルを吊るすなどで部屋の湿度を保つ方法があります。
しかし、暖かくて湿度も高い環境(言い換えると、人間も快適に感じる環境)は、ダニが繁殖しやすい環境でもあります。
ダニは温度が20~30℃、湿度が60%以上の環境で繁殖しやすいことが知られており、この条件を満たしてしまうと、冬でもダニが繁殖してしまいます。
また、加湿器内はカビが発生しやすく、結露がカビの温床となってしまうこともあるので、適度な換気や加湿器内・室内の掃除をこまめに行うことも大切です。
結局のところ、乾燥に対して一番確実で効果的なのは「保湿剤による保湿」ということになります。
冬の間は、他の季節にもましてしっかり保湿を心がけるようにしましょう。
普段から泡タイプやローションタイプの保湿剤を使っておられる方で、保湿力が足りないと感じられる方は、冬の間は軟膏タイプやクリームタイプの保湿剤を使ってみるのも良いと思います。
②ダニ・ホコリの影響
ダニは夏に繁殖し、秋~冬に涼しくなると死んでしまいます。
ダニがアレルゲンとして悪さをするのは、死骸が粉々になって空気中に舞い上がったり、布団や衣服に付着して肌に触れたりするときであると言われています。
特に収納から出したばかりの布団や衣類は、しっかり掃除機をかけたり、水洗いできるものは水洗いしたりすることで、ダニの成分を取り除くことが大切です。
特にダニのアレルゲンは水に溶けやすいと言われているので、丸洗いできるものは丸洗いしてしまうのがベストです。
③お風呂の温度
寒い時期には、ついついお風呂やシャワーの温度を高く設定していませんか?
アトピー性皮膚炎のかゆい湿疹には、熱めのお湯をかけるとピリピリと心地よく感じます。
しかし、かゆい皮膚は炎症を起こしている部分なので、むしろ冷やすほうが、かゆみを抑える効果があります。
熱めのお湯は一時的には気持ちが良いですが、かえってその後にかゆみが増してしまい、かきむしってしまうことにつながります。
お風呂やシャワーの温度は、高くても40℃を超えないように心がけましょう。
④コタツ
コタツに入ったお子さんが、コタツの中で足をぼりぼりかいていることがありませんか?
コタツのヒーターで直接皮膚が熱されると、高温になった皮膚から急激に水分が蒸発し、皮膚が乾燥してしまいます。
また、お風呂のお話と同様に、皮膚が暖められることで、かゆみが増大してしまいます。
対策としては、できるだけ直接ヒーターの熱が肌に当たらないようにする、ヒーターの温度を上げすぎないようにする、長時間コタツに入らないようにする、などを心がけましょう。
寒い季節がもう少し続きますが、乾燥に負けずにしっかり保湿して乗り切りましょう。
ではでは、今回はこのへんで。