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子宮頸がんワクチン接種についてご案内

みなさまこんにちは。
大阪掖済会病院小児科のヒガです。
今回は、子宮頸がんワクチンについてご案内します。

子宮頸がんワクチンをご存知ですか?
これは、ヒトパピローマウイルス(以下HPV)というウイルスの感染を予防するためのワクチンです。
HPVはさらに多くの型に分類されますが、特に16型・18型の感染が子宮頸がんの原因のうち70%を占めており、これを予防するワクチンということで、「子宮頸がんワクチン」と呼ばれています。
HPVは性交渉により感染し、数年~20年の経過を経て子宮頸がんを発症させる可能性があります。
子宮頸がんは日本では年間約1万人の方が発症し、年間約3000人の方が亡くなられています。
子宮頸がんの治療には抗がん剤治療や手術治療が必要となり、治療に伴う体への負担が大きいため、感染前に予防することがとても大切です。
ワクチンには、すでに感染してしまったHPVをなくす効果はなく、初交前に接種することが推奨されていますが、初交後もまだ感染していない型のHPV感染を防ぐことができ、一定の効果は期待できます。

当院で取り扱いのあるワクチンは以下の2種類です。

① ガーダシル®
HPVの型を4価含むワクチンです。
小学校6年生~高校1年生の女性の接種については定期接種となっており、公費で受けることができます。
9歳以上の男性も接種可能となりましたが、任意接種(自費)となり、費用は1回16500円(税込み)です。

② シルガード9®
HPVの型を9価含むワクチンです。
すでに海外の国・地域で承認されており、日本でも2021年より承認されました。
ガーダシル®よりも追加で5価のウイルス株への免疫耐性獲得を期待できます。
対象は9歳以上の女性で、任意接種(自費)となり、費用は1回32000円(税込み)です。
接種スケジュールはガーダシル®と同じです。
承認後しばらくは、接種者全員について接種後調査を目的とするスマートフォンアプリを用いた症例登録が必要となります。
効能・効果・副作用など詳しく知りたい方は、製造元の株式会社MSDホームページhttps://www.msdconnect.jp/products/gardasil-silgard9/をご参照ください。

標準的な接種スケジュールは合計3回の接種で、初回接種2ヶ月後に2回目、初回接種6ヶ月後に3回目の接種となります。

現在高校1年生の方は、11月末までに接種開始できれば、3月末の定期接種期間終了までに3回接種が可能です。
(1回目と2回目は少なくとも1ヶ月間、2回目と3回目は少なくとも3か月間あける必要があるため)
大阪市の定期接種の期限は、平成1642日~平成1841日生まれの女性(2021年度に高校1年生、高校2年生相当)については、令和5331日まで延長されました。
令和4年4月1日より積極的推奨が再開され、推奨を控えられていた期間に定期接種を受けられなかった方を対象としてキャッチアップ接種が開始されています。
詳しくは当ブログの新しい記事や、市区町村の役所ホームページ、厚生労働省ホームページをご参照ください。

接種は腕の肩に近い部分の筋肉に注射をします(筋肉注射)。
痛みにより一時的に気分不良やふらつきなどを認めることがありますので、接種後30分は横になれるベッドで経過観察をさせていただきます。

ご予約は、電話にて受付させていただいております。
(平日14:30~16:00 TEL:06-6581-2881)
予防接種の効果や副反応などについて気になることがございましたら、受診の際に相談・説明させていただきますので、お気軽にお申しつけください。